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酉考2 重ね重ね again and again and again

ジョンレノンの美しき歌「WOMAN」の歌詞は、神道に強い影響を受けている。

そのひとつにthirdVerseのサビ前で、神職がよく口にする詞(ことば)のニュアンスがメロディアスに響く。

メジャーセブンスの晴れ渡る感じ。弾き語りでうたってても、とても気持ちのいい箇所なんだ。


[Verse 3]

Woman, please let me explain

I never meant to cause you sorrow or pain

So let me tell you again and again and again


「敬愛すべきひと。つたない説明ばかりで恐縮だが、奏上する。

苦しみや痛みではなく、安寧をいのろう。重ね重ね」(SUIBUN跳躍超訳)かなりの異訳です。普通のまともな訳詞は、SNSに幾つもあるのでそちらでご確認ください。


何度も何度も、問いかけて、何度も何度も、重ねて伝えたいおもい。現代でも祭祀における神道祝詞ではまさしく「重ね重ね」表現が多く、甲骨文の「卜辞」も、繰り返し申し上げて奉っている。それは幾度となく、深く深く刻んだことだろう。それゆえに、3400年後の現代人へ甲骨文字のいのりは届いたのである。




(とり)造形にまつわる文字は、「酒」に纏わる文字として

その「重ね重ね」の祭祀儀礼の作法としても、多く刻まれている。



「尊」は酒器を両手で捧げ、これを神前に捧げ拝する造形。酋+廾。


酒を捧げる儀礼として、その所作としての作法も

造形として表現されている。



出雲大社の大きな階段は、神々の陟(のぼ)り降りをする階段である。

金文に鋳込まれた文字には「阜(神々の陟降する梯子)」を加えたものが多く、甲骨文字からも通じている。

「阝(こざと)偏」は梯子であり「おおざと」はほんらいは邑である。



「酉」祭祀を丁寧に齋行する。

その重ね重ねは「復習」の「復」の要素にもある。



現代漢字の「腹」や「復」も、甲骨文字では酒造形を含む文字で、「復」造形の原義は祭祀儀礼における神饌の撤饌に通じる意(お下げする作法)としての表現であり、「往復」などの繰り返し、重ね重ね斎行される祈りとして、また軍事行動の「往復」の意味としての動詞としても、転用されている。



祭祀にかかせない器のひとつ、酒(酉)は今は亡き祖先神や、わかりあいたい自然神との饗食(直会)には欠かせないものである。敬愛の「愛」の文字は甲骨文字にはまたないが、金文に鋳込まれている。おそらく失ったものへの愛であろう。漢字として、文字造形の意味としては、LOVE=愛、とは簡単に片付けることはできないが、「重ね重ね」ねがうおもいは、祭祀でもラブソングでも同じである。


ジョンの歌はLOVEに溢れていて、われわれはジョンへの愛(亡くした人)を強くする。

素敵なうたがあること。重ね重ね、うたをうたっている。

つづく…




<番外編> 昭和という文字。「召」の刀。降される御神酒。

下から両手で「御神酒」を捧げる造形は「尊」を表現するが

上から両出で降される造形もある。

この文字造形の御神酒の上には、1期は人 1~2間期で人から刀へ、5期で𦥑〈きょく〉と甑〈こしき〉を加えた繁体と変遷をたどる。

甲骨5期には「刀」や「人」となって現れたりして、解釈するのが難解な「甲骨文字」造形である。

※金文には刀に従う形と、酉を省いた繁体が継承され、古文で召邑も作られたが篆書で召に統一された。



考察も入りこんでいて、諸説あり、甲骨5期の段階ではもはや、殷代後期の人ですら「秘匿の祭祀」文字を理解していなったとも推測されている。殷代びとが、祭祀のために、文字の意味のわからないまま「刻字」してしまう。そんなことが無かったとはいい切れない。現代の既成の宗教もルーティンのマニュアル化で、時が経つにつれて形骸化してしまう事例があることは否めない。



意味は祭祀名として「言葉で人〈人の神霊用例はない〉を召喚すること」という説もある。

神降ろしの祭祀として考察することもできる。

祭祀に呼び寄せる酒樽は、ヤマタノオロチのように邪悪な神を鎮めた。


さまざまな想像力をかき立てる文字は

「召」として、そしてのちに「昭和」の「昭」の漢字要素にもなる。

「昭和」という言霊。翻弄され、入り乱れ、取り戻し、あの時代は何だったのか。


文字が促すチカラは存在する。


原姿を發想せよ。













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