007良 甲骨文字365
原子力発想007良
平成31年1月7日(月曜日)20190107太陰太陽暦1202甲辰42
常用漢字4年生で習う漢字「良」
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だれもがしってる「良くできました~」
こんな簡単な文字なのに、、、
【良】7画
[音]リョウ
[訓]よい・すぐれる・まこと・やや
このブログでは、いくつかの自身の新しい借説(水分説:S)も考察。原姿の発想(甲骨文字の実際の文章)を元に文字分類も再構築を試みたい(旅の途中)
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「良」の文字は、ほとんどの既成の辞書が、日の部に属しているが
この真ん中の□を、太陽として見立てると、納得できる解釈はできない。諸説を吟味し、実際の甲骨文字をトレースして、古代人の指先のおもいを現代に展開したい。
「良」の中央の「日(□)」の部分の諸説としては、
日を、枡の象形とし、液体を計量する意とする説。(加藤常賢)
日を、穀物の粒として、穀物の量をはかる意とする説(藤堂明保)
白川翁は、〔釈名、釈言語〕の音義説「良は量なり。力を量りて動き、敢て限を超えざるなり」から、量もふくろの上に流し口を設けて量る意とするが、量は、円の造字と類似しており、良と量は異なる造形である。しかし白川翁は良・量はその器の形においても近く、声義も近いとし、中央の日を、袋の口として、その「長い(ふくろ)の上下に流し口をつけて、穀物などを入れ、それをよりわけ、糧をはかることをいう」とする(白川)
更に、高鴻縉の〔中国字例〕に、卜文の字形によって、風箱留実、風を送って穀をよりわけるものとしており、おそらくその良をえらび、量を定めて、糧(粮)とするものであろう。とあり、金文に「良馬乘」「良金」「良臣」などの語があり、〔詩、廼風、黄鳥〕は廼の找公に従死する人を悼む詩で、各章に「彼の法なる逐は天 我が良人を殲(つく)す」の句がある。とする(白川翁)
←解釈するにあたり文献を並べると説得力が増すが、文献はすべて甲骨文字の時代以後のもの。のちの時代の解釈が加わる。しかも後の時代の長さゆえに、切り取る文献によって解釈は多様となる。白川翁は金文での文字の字源解釈が多い。そう、甲骨文字の資料では確信に至る文章がない(それでも何万片もあるのだが、、、)金文は多くの青銅器の資料があるからであろう。問題は時代別に時間軸は長く、どこを核に置くかで解釈は分かれしまう点だ。はたして良の口はその後の時代の字形解釈ではなく、甲骨発生のその時から袋の口なのか?なれば良米、良年、良黍などの文字があってもいいのでは?・・原姿のトレースを深めよう。
また、「量」の文字、「円(圓)」の文字、この二字は造字法が同じであり、「良」とは造字法が異なるのではないか。
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「量」が、ふくろや器の口を意味することは、どの説も相違ないだろう。しかし量の甲骨文字には「東」の袋の象形、圓の場合は甲骨においても「鼎(貞)」の象形が下部に描かれている。おそらく指示的に□を上部に表現した象形文字であろう。
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よって、「良」の中央から流れるようなライン、これは「量」「圓」とは異なる造字法に見える。
古代人がいたら教えてもらいたいんだけど~!3600年前の知り合いはいない(笑)彼ら、古代人は、現代人が今でも、これらの文字造形をベーシックとして、「漢字」という機能を採用し、現代、未だに使っていることに驚くだろうなぁ。。。そして「口」をもう一度探究し、トレースを重ねて、様々ある□に関する文字およそ60弱の文字を並べて考えてみた。
水分仮説は、「良」の「日(□)」は<「丁」の□(1月3日ブログ参照)>である!ということ。
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そして「郭」の文字や、のちに紹介する「亜(1月9日365甲骨)」の文字。すべて都邑の□の象形からの派生であると考えるに至った。
探究「良」S説:甲骨に多くみられる力強いしっかりとした角ばった四角のライン、四角い城壁を表している建築物(□)と見立て、その出入り口とする。
波線は、その口の上下の流れをよくする記号的なもの。建造物の出入りの導線を良しとする。流通が良いこと、通りがよいこと。□の枠のルールを守り流れること「良し」とする(考察1)引伸義としての用法をもつ。
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◎実際の甲骨文の用例としては、婦人の名前(婦良)~よい婦人 祭祀名,地名用例がある。
祭祀名 合27527(大)
…良妣庚、王…
…妣庚に良(祭祀名)し、王…
妣(先王の后)には、日(祭祀)も良(祭祀)も斎行されている。日 癸妣に日(祭祀名)するに其○、王佑受くるか 合27575
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地名用例 良
それは、歩いて行ける場所?
丁(□)城壁内か?
丙辰卜貞 王其歩于良 亡災
丙辰(53)卜して貞う。
王其れ良(地名)に歩(ゆ)くに災い亡きか。
SuibunTrace2018
言挙げずの一期から、良の造形もすこし変化がみられる。手に入る資料がもっとあれば、トレースを続けてさらに考察していこう。
「良」の文字、、、ずっ~と考えてると、この人に尋ねてみたくなる。
良寛さんは、33歳の時、円通寺で12年修行ののち、
印可の偈(いんかのげ)を師匠からいただいた。
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「良(りょう)はまた愚(ぐ)の如く道うたた寛(ひろ)し
騰騰として運に任す、、、うんぬん。。。」
貧しくも豊かな大愚。
愚かだと言われても構わない。
流れるように、自由に追及するから、良寛さんは過ち(誤字脱字)もする。善し悪しと書かずに、良し悪しと、書きたい。
良きかな。
寛い心で。
日本古来の平安のかなの発明には、感謝している。
日本人の仮名、カタカナは、漢字の原型を守ってくれた。
中国ほどの略字政策は免れた、韓国の自国文字の断絶のような事態も回避できたのだから。
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平仮名ってすごい。良くではなくて、「よく」
よは余。ワロてよし!
字源の旅は、宇宙規模っ。
し、
さ、もすこし、がんばりましょう。
「たいへん、よくできました~」を目指して。
原子力発想007良 了。
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