

032祭 甲骨365
平成31年2月1日(金曜日)20190201太陰太陽暦1227己巳06 原姿力発想032祭祀01祭 楷書の祭から示を引いた文字。 原姿は、よりシンプル! 現代の暦の2月から「祭祀」をテーマに文字を詠む。2月1日は「祭」の文字からスタート。 「祭」や「祀」には「示」の文字がある。しかし「示」は甲骨には刻まれていない。楷書の上部の造形は、祭肉と、それを供える手のカタチの表現で、小さな点々は、供物から滴り落ちる血を表現するとされる。「祭」のもと、最初期の文字は何故、シンプルなのか。これは「言挙げせず」の精神があるからである。身内に通じる「あれ」「それ」「これ」、日本の天皇記では、天皇の言葉を聞き間違えて殺害してしまった物語もある。あえて言わない。よくも悪くも、あえて明記しない。本来は忌慎んで、余計なことは「言挙げ」しなかった。よりシンプルな祈り。もしくは案は必要なく、自然にそのままお供えしたのかもしれない。 祭の文字を含む甲骨文字をTraceする。 商王朝の祭りには、5つの文字が充てられている。祖祭の体系で周祭五祀とよばれ、終始一巡するのに一年を要する


<番外編>祀り 甲骨文字
2月から、祭祀関連文字。 祭祀とは、何か、(2月1日「祭」) 番外編として「祀」について。 自然への畏怖の念。小さいちいさい虫。その生命力。蛇の異様な生態。 虫については、いきもの編で詳しく紹介します。 1月は、お宮に関する文字。現在~甲骨曼陀羅、最終調整、制作中~ <番外編>原姿力発想 「祀」 了。


031賓 甲骨365
平成31年1月31日(木曜日)20190131太陰太陽暦1226戊辰05 原姿力発想031お宮21賓 それは、おもてなし!? 賓を甲骨文字のシンプルな形まで遡ると、 [会意]宀(べん)+万。白川翁は金文から宮の宗廟に犠牲を薦める意とし、その後さらに貝を加えて「賓」となるとする。神霊を迎えるときの礼。賓は賓客。賓客とは、古くは客神を意味した。 〔詩、周頌、有客〕は、殷の祖神を客神として周廟に迎えることを歌う。賓は客神。またその客神を迎え送ることを、賓迎・賓送という。それよりして人に返報するを賓といい、主に対して客礼をとることを賓といい、主従の礼をとることを賓服・賓従という。 甲骨文には成において、大甲(祖先神)へ、父の乙に対して、賓の儀礼を斎行することが刻まれている。 合2203(一期)に見える「賓」は、人と進む足の造形である。 合17569では、お宮の中に「即」の象形が見え、食の前に蹲踞する人であり、まさしく、おもてなしを表現した表現だ。 また、下の「修」も、人をうつ象形であるが、 修祓儀礼を連想させる。食の前に禊、神々をまつる前に。その聖域に踏


030宇宙 甲骨365
平成31年1月30日(水曜日)20190130太陰太陽暦1225丁卯04 原姿力発想030お宮20宇 <合気大宇宙:邑守水分揮毫作品>世界のAKI武田道場の掛け軸として。 毎年、ご依頼をいただき、ありがたく世界へと羽ばたいてくれている。お陰様で現在、数か国の道場の掛け軸となっている。作品のテーマは「合気大宇宙」2018年はペルー、チリ。合気の精神を師範と語り合い、常に感動を受けながら作品を創作させていただいている。武田義信翁の、包み込む合気は、国境を越えて、あらゆる境界線を取り払い浄化させてく力をもっている。毎年、作品を制作させていただいて、感謝しています。みなさまも各国へ行く際はぜひ合気道場へ。 宇宙への考察は奥深くて面白い。それは文字の言霊(甲骨文字)からはじまる。 甲骨文字の宇宙をみていこう。 現代の「宇宙」ができるまで、文字変遷は神話や寓話と交叉しながら、物語を紡いでく。 下半身を絡み合わせたフクギとジョカの図を眺めると、金文造形にあるような、絡み合う二龍(虫)のエネルギーを放出させるような、命の誕生の瞬間を想起させる。 甲骨文字まで遡る


029 寮 甲骨365
平成31年1月29日(火曜日)20190129太陰太陽暦1224丙寅03 原姿力発想029お宮19寮 どんと祭の火は、もう消えただろうか。。。 年末から新年にかけて、昨年の授与品等のお焚きあげの準備をする。年頭から火をともし、三が日が過ぎても、長いあいだ火は燃え続ける。以前、ご奉仕させていただいたお宮は、スペースが大きく、規模が大きいために1月のあいだは、下旬になってもかすかに火種が残っていた記憶がある。。。 燃える木々、お焚きあげは甲骨文字にしっかり刻まれていた。 寮とはなにか。火で浄化された赤心。寮は、もと庭燎(にわび)をいう。庭燎を以て守る神聖な建物を寮といい、その職制にあるものを寮・僚という。この文字を見ていて、真っ先に、どんと祭、そして仏閣でのお焚きあげ、さらに少年時代、、、中高校時代の6年間の過酷な男子寮生活を思い出した。寮は神聖な建物だったんだなぁ。。 甲骨文字では「師寮」に在り。という文が多く刻まれている。まさしく師の寮である。 静謐なお宮、選ばれた木に、火をつけ以て、浄化する。 その願いを成就することもあるだろう。 乾燥した空気


028 宣 甲骨365
平成31年1月28日(月曜日)20190128太陰太陽暦1223乙丑02 原姿力発想028お宮18宣 まわる、めぐる、重ね重ね、ぐるぐるする。そんな渦巻みたいな、くるくるくるりラインが、お宮の中にある文字。でん!としている。この「亘」は半円形にめぐるものを意味する。 くるりは京都のバンド。ラーメンにあるのは鳴門。 あのどんぶりとかによく描かれている四角い渦巻門マークは? 一説に、青銅器にも見られる雷文(らいもん)だとも言われている。田畑にイナズマ。天の意思を図案化したとか。周王朝以降のデザインと思いきや、そうなると甲骨文のこの図形は原点となるのではないか。 mark造形思考↓ ラーメンおいしそ~。ちなみに甲骨文字の「雷」の文字は申と田圃で、markというよりイナズマの鋭い造形を基調にしている。宣の中央の「亘」の象形が、あのmark(雷文?)に近い。青銅器は、とうてつ文を掲載した。甲骨文字から現代のラーメンとつながる造形デザイン。古(いにしえ)から造形思考をめぐらすのは面白い。 さて、「宣」の文字が刻まれた甲骨文をTrace。南に宣。方角としての南


027廳(庁) 甲骨365
耳さときひと。
耳をすまして、四季折々の変化を感じ取る。
甲骨文字に刻まれる世界は、三千年以上経ても、我が国の文字の言霊として、存在感を放っている。さぁ、耳をすまして。


本日、甲子の日。
本日は2019年はじめての甲子の日、60日の六旬(10(十干)×6)のはじまりの日である。日にちではなく、年(ねん)でいえば、甲子園は甲子の日(1924年大正13年)に誕生した。 十干十二支は3400年前に刻まれた曆の基本で古代最古の貴重な曆の思想である。ちなみに村上春樹の「19


026 向 甲骨365
平成31年1月26日(土曜日)20190126太陰太陽暦1221癸亥60 原姿力発想026お宮16向 宕 塞 「その疾きこと風のごとく、その徐かなること林のごとく、侵掠すること火のごとく、動かざること山のごとく」孫子の兵法の第七「軍争篇」 火は畏怖するもの。この時期は特に火事のニュースが多い。空気が乾燥している。火の用心である。人知のおよばない火の難を逃れる為、古代から人々は祈りを捧げた。 あの愛宕神社の火伏の神は、なぜ「あたご」と呼ぶのか。記紀神話によれば、イザナミとイザナギとの間に生まれたカグツチは「火の神」(火産霊)である。生まれた時に母イザナミは焼死。出産は人生の一大事、古代ではなお過酷であったであろう。子どもが仇となって母は亡くなった。この子どもと母の関係から「仇子」(あたご)と称され、「愛宕」の語源となったという説がある(本居宣長『古事記伝』)諸説アリ。 愛宕の神は本来「境界の神」(塞の神)であり、東の比叡山、西の愛宕山の境の京を鎮護するために配所され、とりわけ愛宕神社には火伏せの神として祀られたというのである。 「向」の文字は、お宮


025 定 甲骨365
平成31年1月25日(金曜日)20190125太陰太陽暦1220壬戌59 原姿力発想025お宮15定 過ちはこの世の定め~ 三日月はあの世の要…井上陽水「この世の定め」(カシス) 「定め」とは不思議なご縁である。 昨年、11月に新たに会社を設立、名を「大邑商」とした。会社を設立するにあたり定款を作成する。さて定款とは、活動を定めた根本規則またはこれを記載した書面である。 さて「定」は甲骨文字では、どのように刻まれていたか。 地名用例として、安易に甲骨文を解読できるのは主に「~に在り」という形式で刻まれているものが多いからである。在定=定(地名)に在り また、貞人名として解読できるのは型式があるから。 十干十二支卜○貞 ←○ ここには名前が入る 例)己未(56)に卜して 定(貞人名)貞う。 十干(己)十二支(未) 卜(占って)○○(貞人名) 貞 しかし甲骨のカケラの中には、欠損して読めないものもあったり、 1期~5期の300年間で、字形を刻む人の変化も相まってカタチが異なるものも多く存在する。誤字脱字、間違えたりするのは古代人も同じ「ひと」である。