026 向 甲骨365

平成31年1月26日(土曜日)20190126太陰太陽暦1221癸亥60

原姿力発想026お宮16向 宕 塞 「その疾きこと風のごとく、その徐かなること林のごとく、侵掠すること火のごとく、動かざること山のごとく」孫子の兵法の第七「軍争篇」

火は畏怖するもの。この時期は特に火事のニュースが多い。空気が乾燥している。火の用心である。人知のおよばない火の難を逃れる為、古代から人々は祈りを捧げた。

 あの愛宕神社の火伏の神は、なぜ「あたご」と呼ぶのか。記紀神話によれば、イザナミとイザナギとの間に生まれたカグツチは「火の神」(火産霊)である。生まれた時に母イザナミは焼死。出産は人生の一大事、古代ではなお過酷であったであろう。子どもが仇となって母は亡くなった。この子どもと母の関係から「仇子」(あたご)と称され、「愛宕」の語源となったという説がある(本居宣長『古事記伝』)諸説アリ。

 愛宕の神は本来「境界の神」(塞の神)であり、東の比叡山、西の愛宕山の境の京を鎮護するために配所され、とりわけ愛宕神社には火伏せの神として祀られたというのである。

「向」の文字は、お宮の中に口(さい)を配置した文字であるが、石を配した愛宕の「」そして、塞の神の「」という文字。甲骨文字では、3字とも、お宮や施設に関連する重要な文字である。原姿まで遡っても、繋がっていた祭りの言霊。火への畏怖の念は古代から変わらない。

「向」は斎場(祭祀施設)としての用例がみえる。また地名としての用例もあり、重要な場所であったことが刻まれている。

口(さい)については、祈りの文を入れる器、その器という構造が、人類に新たな文化を始動させた。我が国の縄文土器に見える器と同様に、入れ物の発明はほかの動物には容易にまねできない人間独自の発想であった。人間は器ではない。口から入り肛門から出る。いわばチクワのような筒状の身体構造を持つ。しかし口(さい)は底辺を閉じているために、その器に入れることでき、保存し破れない限り流れ出ることはない。古代の人々が自然と向き合う中で発明した「入れ物」は原姿力発想「創造の起源」である。

その口(さい)を角ばった岩場に置く造形は「石」という文字となる。

わが国では「磐座(いわくら)」といい、天岩戸の神話では、太陽(アマテラス)の神が隠れ、身をひそめた場所となる。愛宕の文字の中にも祈りの口(さい)が刻まれている。

甲骨文字に刻まれている「宕」という祭祀施設では、酒(祭祀)が斎行されている。

また、高い建物であった。高+林+宕

※高い建物は古代においても重要な施設である。

「塞」の文字は、甲骨文字では「工」を並べ、

手をそえ掲げた文字であり、需要な祭祀においての記述が刻まれている。

左手に「工」という呪具を持ち、右手に「口(さい)」を携えて神の思し召しを求めた。

その左右を重ね合わせた形が「尋」という。

左右という文字。

 愛宕の宕の「口」

 塞の神の「工」

偶然か、必然か。

神話は、ただの御伽話ではないようだ。

甲骨文字を知らない我が国の飛鳥・奈良・平安の先祖たちも、文字に秘められた言霊力を無意識に感じ取っていたのかもしれない。

文字の根源は、古代の発想をあらわに甦らせる。

文字は生まれたときにすでに神聖文字であった~白川静~

人が人に意思を伝える、感情を伝達するといった次元を超えた、

文字のチカラ、自然の驚異に立ち向かう強さを「向」「愛宕」「塞の神」

甲骨文字の刻蹟からから感じ取れないだろうか。

原姿力発想026お宮16向 宕 塞 了。

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