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006嗇 甲骨文字365

原姿力発想006嗇 平成31年1月6日20190106太陰太陽暦1201癸卯40

鳥居をくぐる。

神道を感じる瞬間、畏怖の感覚が鳥肌のようにさわ立つ。

それは必ずしも心地よいものばかりではない。

足の先まで冷え切った冬の仙台は、同じ空なのに異国の空のよう。

張りつめた空気。すべては予定通りだ。

寸分の狂いもなく定刻の太鼓が響き、

斎場へ向かう前の手水、参列、滞りなく斎行する。

親指をまるめて、足の甲で押し上げるように、前へ、玉砂利を、

前後左右、呼吸を合わせて、参列。

いつまでも履きなれない麻ぐつで、

しゃりしゃりと、

。。。

禾禾~秝~左右にそそり立つ、自分の背丈より 

何倍も大きい高い柱。

歴史あり、

暦あり、

禾を二つ並べた文字造法は多い。

二つ並んだ禾(か、いね)が含まれている文字たちの

原初のすがた。。。

甲骨文字の下部は「冬」のよう、穀物を、糸、ふくろで結び保管する。仕事は終了。実物の刻まれた、穀物蔵をトレースする。

甲骨文例1:嗇◎収穫した穀物を供すること。合1027正 右の端ー上部

己未卜(南殳<貞人名>)貞、缶其嗇 我旅

釈文(合1027正)己未(56)卜して南殳(なん)貞ふ、缶(人名)は其れ我の旅で嗇(穀物供饌)せんか。

収穫した穀物は、二柱のシンボルを立て結び目をとめて、感謝をこめて奉納されたのであろう。供すること。現代においては、神社の収穫祭に地産物を奉納することではないか。

甲骨文例2:嗇(地名としての用例)

地合10938貞、翌庚申、王令 獲鹿 于嗇

釈文:貞う、翌庚申(57)、王命令す、嗇(地名)に鹿を獲らんか。 

甲骨文字の上部は禾(來)などの農作物。下部は「冬」のよう、穀物を、糸、ふくろを結び保管する。むすんでで仕事は終了だ。この甲骨の、並べた穀物造形(禾禾)に鳥居を感じる。

考察メモ:嗇

白川翁の文字学は甲骨文から読みよくよりも、資料の豊富なその後の金文から読み解く説が多い。金文の図象に、両禾を並べ立てる形のものがあり〔周礼、夏官、大司馬〕に「旌(はた)を以て左右和(くわ)の門と爲す」とあるように、それは軍門の象形であるとする。和(か)はその軍門の前で誓約して、講和を行うもので、禾は軍門の象形であり、のちの華表として残されているもの。軍門で旌表を行うことを、金文に「蔑曆(べつれき)」という語があり、「曆(いさをし)を蔑(あら)はす」とよみ暦朔・暦数などの意に用いるのは、のちの転義であるとする。

<番外編>未解決甲骨文例:四字熟語「三嗇雲(目+矢)」

前略~、鄙はお宮の文字シリーズだが、

鄙に関連して□は組み込まれていないが

「嗇」の文字を取り上げた。

更に深掘り~甲骨文に刻まれている文脈のなかの四字熟語として、詳細が明らかでないもの。

いまだ解明されていない意味の文字列がいくつか存在している。

何を意味しているのか。。。

まっさらな視野で、古代人の刻み込んだデザインに、

自由に想像をめぐらすのも楽しい。

三嗇雲(目+矢):天候用語 さんしょく

己亥卜泳貞 翌庚子酒 王占曰 玆惟庚雨 

卜之雨 庚子酒 三嗇雲(目+矢)…既祝啓 合13399

己亥(36)卜して泳(第一期貞人)貞う 翌庚子(37)酒せんか… 

王占ひみて曰く 玆に惟れ庚(37)に雨 卜之…雨 

庚子(37)酒せんか…三嗇雲(目+矢)

…既に、祝う、啓く。

四川甲骨トレース:雲 の用語「三嗇雲目矢」 合13399

天候用語らしい。。。鳥居をくぐり、空を見て、想像してみよう。それはどのような空であったのか。古代人は何を見て、感じて、刻み、占ったのだろう。

鳥居を前にして、門や柱、そして秝。この大きな建築の根っこの根底には何かあるのか。

嗇の文字の謎。あ~薔薇もそうだ。棘がある。

左右対称のシンメトリーで、亀の甲羅に肯定、否定を刻む占い。

二柱のあいだを抜ける風。一礼してひといき、呼吸をととのえて、、、

鳥居を、もう一度、、、

原子力発想006嗇 了

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