003丁 甲骨文字365

原姿力発想003丁

ぼくはフォルムのことしか考えていなかったので、ほかの要素のほとんどは、自然についてきたんだ。ところが他の要素について目覚めた途端!ぼくは大いに助けられた。創造のさらなる変幻に出会ったからだ。パウルクレーの日記より「線と色彩」

平成31年1月3日20190103太陰太陽暦1128庚子[37]

□というものは図形のはじまり。

・(点)と・(点)を繋げてー(線)になり、も一つ足したら△さんかっけい。よっで、平面(□)の四角い造形が出来上がる。

甲骨文でたびたび登場する□とは何か?

十二支、十干(じっかん)[甲乙丙丁戌己庚辛壬癸]は、大切なものである。古代から連綿とつながる暦は、今年2019年は己亥(つちのといどし)となる。年だけではなく、月、日、すべてにこの十干十二支が採用されている。1月3日の本日は、庚子(37)となり、甲子(01)<2018年11月28日(旧暦10月21日)>から数えて37番目の日(旧暦11月28日)となる。10(十干)×12(十二支)=60日の十干十二支表は、甲骨文では二期と五期の甲骨に刻まれている。貞人や彫り師(神職、巫祝)等が手元において日付を確認し、甲骨文を記した早見表であろう。

甲骨文の占辞内容では、基本的には日付として、文章の冒頭に「○十干○十二支の日に~(貞人名)~さんが貞う(占った)」と刻まれる。日付が記されることにより解読がより容易になった。しかし欠損したものも多く、前後の文脈や、残された文字を手掛かりに推測もできる。

 自然の摂理を解き明かしたい。古代人は夜空を見上げて月を愛で、地上の命の循環を知りたかった。そして命あるものにはみな死が音連れることも。その時間軸の概念を、四季折々(商王朝時代の季節区分は春秋のみ)にかさねて何度何度も計算をして試行錯誤したであろう。12×10=60 60×6=360、考えては発見し、修正しては更新した。実は日本の江戸時代も暦は幾度となく改変されている。暦の安定は古代から何代であった。太陽だって生きている。命ある太陽系の中で生々しい誤差が生まれるのは至極当然のことである。

かつて人生60年として、お祝いをした。根拠となるのは甲乙丙丁戌己庚辛壬癸と十二支、60年で赤いちゃんちゃんこを着て、生まれた年に戻り、60のサイクルが一巡りし、60年目は人生の大きな区切りであった。現代では、太陽系の水金地火木土にも応用され、五行算命学に通じる生命循環の宿命を確率論として落とし込むところまで到達した。東アジアに生まれた、豊かな智慧の源(みなもと)でもある暦の深い世界も大切に扱いたい。

【丁】[音]テイ・チョウ・トウ[訓]くぎ・ひのと・あたる

まる、さんかく、しか~く~。この四角形のものを表す抽象的な造形デザインは、いったい何なのか!?

漢字「宮」の中の□や、

□の四隅を切り取って古代の王墓を表現した亜細亜(アジア)の「亜(亞)」の文字にも共通した造形思考をもっているようだ。「衆」においては城壁に集う人々、太陽の下に三人刻まれたものがある。

大陸においての、古代の生活では、自然の条件に左右されることが多かった。強大な自然から身を守るためにも人間は都市を方形の城壁で囲み、その中の民衆共々、外界、害敵からの守りを固めたのであろう。わが国の戦国時代をを例にだせば、お城の璧は城主と兵だけを守るという様式で、東アジアの中でも地域性の性格が異なる。外界との境界線への自然的な環境の違いであろう。人や国家を守るのに、どちらの方法が良いとか悪いとかをいうわけではない。

安陽地図

文字変遷は、篆書で釘の側面形に見えることから、釘の象形という説が多い。白川翁でさえ、金文の字形を中心に考察し、現代の漢字に合わせて、釘の頭の象形と見立てる。篆書(説文篆文)から字源説を説く(加藤常賢、藤堂明保も同説)。しかし原初の甲骨文字は四角形である。釘のあたまを描くときに大きな四角を表現するとは思えない。原姿の文字をトレースし甲骨文の実物をしっかりと観て古代人の指先を辿る。

丁 甲骨文字

<水分ぼやき>俗にいう篆書の世界では、許慎、説文解字の文字以前の過去の文字を一つの枠にはめこんで処理する。金文、甲骨文もひっくるめられて1600年前の文字まで、ぜ~んぶを篆書[篆刻]という名前で括ってしまう。まことに乱暴なまとめ方である。甲骨文字発見(1899年)から120年たった今でも、甲骨文字の重要性をかかげている書家はさほど多くはいない。ほとんどが現物(実際の甲骨)を知らず、著名な先生の便利だけの誤った辞書を丸写しして、信じ込んでいる。誤ったフィルターは実物を見れば容易にはずせるはすになのに。。。

 近現代の書は特に醜くて、まるで大人が、甲骨文字を、赤ん坊の落書きレベルとして、バカにしているみたい。古代人は現代人より劣っている、と言わんばかりの思い上がった人間の書。甲骨ベースもどきの書へ挑む姿勢の問題だ。彼らは一度でも古代人の真摯な刻みを!その指先を!トレースしたことがあるのか!?中国になる前の大陸(秦の始皇帝以前の世界)、漢字に限定される前の言霊のチカラ。篆書というあいまいな枠、手垢で汚れた漢字の悲惨な歴史。今一度、一からやりなおせ。甲骨に還れ。心のこもった手紙であれば、うまい下手など、ましてや思い上がった人間が人間を審査することなど必要ないのである。子どどもの懸命に書いてくれた、ただたどしい指先の、点と線 そんなひらがなには大いに感動するだろう。

<甲骨時代の歴史>許慎(紀元100年説文解字の作者)は甲骨文資料を見ていない。(当時は地中に埋もれていた=発見されていない)説文(紀元100年説文解字)は明らかに当時のつくられた思想を中心に構成されたものである。文字が生まれたばかりの原姿の発想法ではない。さらに千年以上さかのぼれば、金文と甲骨文も区別すべきであり、甲骨時代300年ほどの時間的経緯(Ⅰ~Ⅴ期区分)。その甲骨文字使用時の初期(紀元前三千年あたり)も文字変遷を区分しなくてはならない。最近の我が国に例えるならば、江戸幕府を作った徳川家康と、明治維新期の坂本竜馬を同じ括りにしては、当時の文献を正確に読み取ることができないように、甲骨文1期~5期の、初期~後期でさえも大きく異なるのである。

<四角(甲骨)造形>さて、丁の初期造形「□(四角)」の造形デザインは何を意味するのか。商王朝の城壁のかたちを考古学的に探究して、文字の核心に迫りたい。

前述(邑[002])の文字は城壁と、そこに住み祭祀儀礼をおこなう蹲踞した人、「村(むら)」の意味。

(12月24日記述)は城壁に足先を向け□[丁]を征伐する意味。甲骨文では、先王の武帝[丁]を示しこともあり、帝(てい)と丁(てい)は音が同じであるという説もある。

商王朝前期の都:鄭州遺跡の発掘図。太線が城壁。ほぼ四角い。

★テイ(丁)…十干の第四(丁)に用いる。※十二支と十干の文字と12×10で60日を表すことは初期の甲骨文字にも刻まれている。※五行説などの意味をわかりやすく体系的にまとめられたのは、春秋戦国期以降の思想の結果であり、比較的あたらしい概念が、追加されていることもあることに注意しなければいけない。

五行と十干:水分オリジナルテキスト十干表:ひのと、丙丁は五行では火。丙をひのえ、丁をひのとという。鋳込まれている商金文の青銅器を十干(じっかん)[甲乙丙丁戌己庚辛壬癸]のみを取り出してトレースしたもの。

商王朝から周に王朝がかわる代にこそ、その遺物を後の時代に残す思いが込められていて、文字を鋳込む表現力が強い。これら商周変革期の青銅器と、甲骨文の初期一期の比較しても、数百年の変遷は貴重な資料となる。

甲骨文には、十干以外にもいくつかの用例が刻まれている。

丁の十干以外の甲骨文例用法1都市 2祭祀名 3先王名 4人名 5門の名前

実際にトレースして十干の謎に迫ろう。すこしでも古代人の辿るラインを、指で呼吸をしながら、この原姿力発想に近づきたい。

丁:人名1期用例 合20072 

戊子卜貞、弗來

戊子[25]、卜して丁[人名Ⅰ期]貞う、來たらざるか。S超訳:占い丁さん[𠂤組[1期]の貞人名:神主]が貞うた。→部分拡大[合20072]

丁:宗廟や、門の名称としての甲骨文例

丁宗 合13535 宗廟のひとつ。

…其告歩 丁宗

…其れ、丁宗[宗廟]に

歩[祭祀儀礼]して告(祭祀)せんか。

丁:丁門 

商の都にある門のひとつ。合13602

貞、自丁門。二月

貞う、丁門より。二月

参考資料:甲骨文字Ⅰ~Ⅴ期 十干変遷表↓

⦿十干の謎、十二支の謎。まる。さんかくぅうー。しか~く~!四角形ひとつ。自然は野放しの偶然ではなく、それを支配する法則が存在する。クレーは線の「運動」を自然の秩序と重ねるようにみていたのであろう。筆は自然の一部であり、ラインには、人間という自然の思考する美しい法則があった。

原姿の造形思考の奥深さに唸りながら、

線質を辿る旅路さ。古代文字道場にて。

むらかみすいぶん古代文字道場:□□□

原姿力発想003丁 了。

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